「国文学」のススメ

大学って仕組みも難しいけど、学ぶ内容のイメージを掴むのも難しい。高校の科目との繋がりはあるんでしょうか?研究ってなにをするんでしょう?その答えは学問分野によって様々ですが、学部を選ぶときには知っておきたいですよね。

そんなこんなで、今回は現役慶應生さっちがいま自分が大学で専攻している「国文学」をご紹介!

国文学ってなに?

国文学とは、ひとことで言えば日本語で書かれた文学作品を研究する学問で、日本文学ともよばれます。研究対象は古事記からラノベまでなんでもアリで、研究の仕方も多種多様。そう、意外と幅が広いんです。ラノベなんて研究の対象になるの!?と思う人もいるかもしれませんが、そういったことも実は多くの大学の文学部で学ぶことができるんです!

イメージとしては、高校の科目でいうと国語が一番近いです。現代文と古文で勉強の仕方が違うように、江戸以前の文章(古文)と明治以降の文章(現代文)で、研究方法が違うという点も似ています。

でも、高校のように古文で動詞の活用を丸暗記させられたり、論説文で傍線部の意味を説明させられたりすることはありません。
高校の国語とは学ぶ対象が似ていても、その対象の扱われ方はぜんぜん違うんです。

古典研究ってなに?

じゃあ、大学ではどんな風に扱うんでしょうか?まずは江戸以前の作品の扱い方を紹介します。

これは『伊勢物語』です。「昔おとこありけりおんなのえうましかりける…」と書いてあります。(必修の授業で少なくともひらがなのくずし字は読めるように練習しました。)
『伊勢物語』は教科書でやったよ!という方も多いと思いますが、そもそも教科書に載るまでには国文学の研究者がこのくずし字を読み解いているのです。

古典作品が書かれた時代はコピーも写真もないので、手で書き写すのが基本。そうするとある一つの作品について、字を間違えたり、ページが抜けたり、勝手に内容を作り変えたり(?!)いろんなことが起こります。そのため同じ題名の作品の資料をたくさん調べながら「で、正しい内容はなに?」と確認することがまず研究になるわけです。(この作業のことを「校異」と言います。)

そうして正しい文章がわかると、現代語訳を試みたり、歴史学の研究と照らし合わせて当時の文化を明らかにしてみたり、別の方法での研究ができるようになります。
『源氏物語』や『伊勢物語』など有名な作品では訳や文化の研究がされていますが、今でも読み解かれていない無名の資料は残っているので内容を確定させるための研究もまだまだ行われています。

近現代文学の研究ってなに?

そもそも文字が読めない江戸時代以前の作品に比べて、活字で印刷するようになった近代以降の文学作品はひとまず読めます。なので、どんな内容を読み取るかということが研究の重要なポイントです。

高校の現代文では既に問題があってそれに答えるという形式ですが、大学ではどういう問題にするかを自分で決めてから答えを探す、という流れです。
問いの立て方は本当に様々で、ひとつの作品をとにかく深読みしたり、作家の人生に注目したり、「水の描写」など特定のテーマのもとで複数の作品をみたり、政治問題との関連を調査したり…とっても幅が広い。あまりに自由で困ってしまうことが多いので、まずは問いの立て方を学び、続いて自分の興味のあることを探していきます。教授曰く、研究の良し悪しは問いの立て方で決まると言っても過言ではないそう。

そうして、無事すてきな問いが見つかったら、その答えを探していきます。高校で「現代文の答えを探す」というと、ひたすら問題の本文を読み込む感じだと思いますが、大学ではそれだけではありません。先輩研究者たちの論文を読むことはもちろん、同時代の雑誌や同じ作家の別の作品を読んだり、国文学とは異なる分野の論文を読んだり、対象とする内容以外のこともたくさん取り入れて研究を進めます。

私は大学3年生のときに林芙美子という女流作家の『牡蠣』という作品のレポートを書きました。そのときは作品の中で繰り返される金魚の描写が物語の展開とどういう関係があるのか、ということをテーマにしましたが、当時の物価や平均収入、金魚を描いた他の文学作品など、いろいろなものを読んで、自分のレポートに取り入れました。

広大な国文学の世界

ここまで江戸以前と江戸以降と大きく分けて説明しましたが、少しでもイメージを持てたでしょうか??
でもここで説明したことはごくごく一部で、文学史、漢詩、和歌、俳句、海外文学の翻訳、文学と社会の繋がり、作家同士の関係、口伝えの物語、などなど、いろいろなものがいろいろな方法で研究されています。
もしあなたが国文学に魅力を感じているのなら、オープンキャンパスや大学祭のゼミ発表などで国文学の世界に直接触れてみてください。もっともっと鮮明に国文学を学ぶイメージができると思います。
「そういうところは緊張するな…」という場合はFindU公式LINEにメッセージをください!現役で国文学を学んでいるさっちがお話します。

今回は「国文学」を紹介しました。このように学部という大枠で捉えていては見えない中身を知ると、よりあなたに合った進路選びができます。「国文学」には興味がない人も、今じぶんが目指す学部ではどんな学びができるのか、ちょっと調べてみるのはいかがでしょう?

「解説!大学のしくみ」では、メンバーそれぞれが専攻している(メインで研究をしている)学問分野を解説したり、いろいろな学問分野の大学生にインタビューしたりして、大学での勉強の中身をこれからもリアルにイメージできる記事を発信していく予定です!お楽しみに!

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