『大人のための国語ゼミ』

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第4回の今回は、元東大教授の野矢茂樹先生による『大人のための国語ゼミ』を紹介します!(るるる)

「国語力」を見直す

国語」という科目に苦手意識を持っている人は多いのではないでしょうか。また、国語に限らず、文章がうまくかけない…という悩みを持った人も少なからずいることと思います。

本書は、国語の授業を終えた人、つまり「大人」に、国語を見直してもらうために書かれた日本語のトレーニング本です。
「国語」と言っても、中高にありがちな、「論説文を読んで著者の主張をとらえる」だったり「小説を読んで登場人物の心情をよみとる」といった内容ではなく、「相手に伝わる文章の書きかた」や「質問のしかた」、「文章の要点の捉えかた」といった、生活や勉強、仕事のベースとなる基礎的な日本語の力にフォーカスした内容となっています。

「高校生」にオススメ

前述のとおりこの本は「大人」向けに書かれた本ではありますが、個人的には、高校生にオススメしたい本です。というのも、この本で身に付けられる「国語力」は、あらゆる分野の勉強に役立つ基礎的なものだからです。

例えば、「相手に伝わる文章の書きかた」は、文章を書くあらゆる場面に応用できます。つまり、記述試験の文章題や小論文を書く際に役立つということです。また、「文章の要点の捉えかた」は、要約問題を解くのに役立ちます

さらに、重要さが少しわかりにくいかもしれませんが「質問のしかた」も非常に重要です。なぜなら、「疑問(≒質問)を持つこと」は勉強の根本に関わるからです。「この戦争はなぜ起きたんだろう?」「この現象はなぜ起こるんだろう?」勉強は本来、そんな疑問・好奇心から始まるものです。大学の勉強は、さらにこの性格が強くなります。でも、日本の学校教育のなかで「質問力」を身につけるのはなかなか難しい。ぜひ、この本で「質問力」を学びましょう!

わかり合うこと

この本が役に立つのはなにも勉強だけではありません。内容としては、章立てされた国語力向上トレーニングに順番に取り組んでいくというものですが、「わかり合う」ことが目的として念頭に置かれています。そのなかで、単なるテクニックだけでなく、「理解してほしい」「理解したい」と思う気持ちや姿勢の重要性も強調されています。

高校までは、同じようなバックグラウンド(経験、環境)や、同じような理解力を持つひとたちが集まっているので、理解してもらうこと・理解しようとすることにさほど苦労しないのではないかと思います。
でも、大学は本当に多様なひとがいるし、社会に出たらもっと色々なひととかかわることがあるかもしれません。そんな中で他者とわかり合うためには、この本に書かれているような「国語力」、そして「わかってほしい」「わかりたい」と思う気持ちや姿勢が必要なのではないでしょうか…

読みやすさもある

さて、長くなってしまいましたが、今回は『大人のための国語ゼミ』を紹介しました。

元東大教授が書いた本ということで、とっつきにくそうな印象を受けるかもしれませんが、一般の人向けのため、堅苦しさがなくかなり読みやすく書かれています。
野矢先生が東大に在任されていたころ(2年ほど前)、実際に先生の授業を受けていたことがあるのですが、非常にユーモアのある先生で、それがこの本にも表れているなと思いました。

読んで後悔することはまずないと思うので、気になった方はぜひチェックしてみてください!

作品紹介

野矢茂樹『増補版 大人のための国語ゼミ』2018年、筑摩書房

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