『無限論の教室』

FindUメンバーが中高時代に読んだ本/読んでおきたかった本をオススメする「BooksU」。

第8回の今回ははやしがけっこう真剣に夢中になって読んだ、”数学っぽい”哲学/論理に関する新書をご紹介!

一気に読める

本当に面白い本です。

一気に読めます。先ほど電車の中で読み返し出して今さっき読み終わりました。

まじで、一気に読めます。

これは細かな章立てがなされていてどこから読んでも構いません、という本ではありません。最初からじっくり時間をかけて読む本でもありません。一気に2回読んでみてください。なぞなぞみたいな話からぬるっと難しい話題にうつっていくのにそれをさらっと読ませてしまうのは作者の手のひらで遊ばれている感じがしてムカつく気もしなくはないですが、でもやっぱり面白いです。

「アキレスと亀」“無限”とはなにか対角線論法√2は数なのか集合と要素「この文は間違っている」という文は間違っているのかラッセルのパラドックス背理法はどうして成立するのかゲーデルの不完全性定理…。

こんな話題が扱われているのに文系の私でも面白く読めてしまうのはどうしてなのか。

作者自身が楽しんで書いている

それは作者自身が楽しんで書いているからです。

読者にとってはどうでもよいことだとは思うのだが、私は、本書を執筆することが楽しくてしかたなかった。実際、この原稿は依頼されたものではない。私が、自発的に、大学の仕事から解放された年末に、クリスマスも大掃除もそこそこにして、出版のあてもなく書いたものである。ちょっと書いてみるつもりで、やめられなくなってしまったのだ。(あとがきより)

これはある架空の大学の半年間の講義のようなかたちで書かれていますが、3人の登場人物、ぼくとタカムラさんとタジマ先生のやり取りが、まず楽しい。

数学とかわからなくても楽しい。タカムラさんみたいなひと、大学にいないものかしらと思ったくらい

そして、口調が軽すぎるくらい軽い。しょうがないです、作者自身が「ちょっと書いてみるつもりで、やめられなくなっ」ちゃったくらいなんだから。

この本を読むと、勉強とか研究とかって、堅苦しいものではないのだ、ということがよくわかります

(実際、その後大学に入ってみて野矢先生(作者)の講義を実際に受けたりほかの学生と話したりしていても、その感覚はあながち間違ってないと思います)。

数学が好きなひと、テストで点はとれないが数学の世界にちょっと興味はあるひと、現代文や哲学・思想が好きなひと、少し背のびした学問の世界はみてみたいが堅苦しい本は読みたくないひと…。そんな人たちにオススメです。ぜひ、お近くの本屋さん(とかアマゾンとか)で。

作品紹介

野矢茂樹『無限論の教室』、1998年、講談社現代新書

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA