卒業論文って?~前編~
「卒業論文」って聞いたことあるけど、結局なに?言葉は知っていてもその中身は分かりにくい…。今回は、卒業論文執筆中の大学4年生さっちが説明していきます!前編の今回は、そもそも「論文」とはどんなものかご紹介!
論文とは
高校生のみなさんはそもそも「論文」を読む機会がほとんどありませんよね。文系学生の研究の仕方を説明する本では、このように説明されています。
論文とは、特定の学問上の問題について、十分な論拠をもとにして、主張や証明を行なう、論理的に構成された著作である。
東郷雄二『新版 文科系必修研究生活術』株式会社筑摩書房、2009年、156頁 より引用
これは文系の論文の説明として書かれていますが、理系の論文でも基本的な部分は一緒だと思います。
このなかで特に注目したいのが①学問上の問題 ②論拠 ③論理的 という3つの単語です。
①学問上の問題
まず、「学問上の問題」ってなんでしょう?
ものすごく簡単にいうといろんな人が研究してきたけどまだわかってない内容が「学問上の問題」です。そのため、論文を書くためには、まず今までの研究で何がわかったのかということを知らないといけません。
だから論文のテーマとなる「学問上の問題」を見つけるのも結構大変。
(私の教授は「卒論の質はテーマで8割決まる」と言っていました…。)
大学受験の小論文では本で読んだ意見を参考にまとめてみることも十分ありえますが、大学で書く論文はオリジナリティが必要なんです。
②論拠
次に「論拠」について。広辞苑では「議論のよりどころ。論証の証拠となる命題。」と説明されていますが、要するに論文で主張したいことの根拠となる内容のことです。
著者が勝手に「○○だと思う!」って主張しても、ぜんぜん説得力ないですよね。きちんとした論文にするためには、きちんとした根拠が大切。だから理系の人はちゃんとした手順で実験を繰り返してデータを取るし、文系の人は多くの人にアンケートを取ったり、他大学や外部の図書館まで出かけて資料を探したりします。ウィキペディアとかは使っちゃだめなんですよ(笑)
論文に使えるような正確なデータの取り方や信頼できる資料の探し方は大学で学ぶ大切な内容です。
③論理的
最後に「論理的」について。これは、筋道を立ててきっちり説明する、ということです。
論文は「学問上の問題」に対する答えを示すもの。どれほど正確で信頼できる「論拠」を示しても、それをしっかり整理しないと答えには辿り着けません。
しかも、その答えを読んだ人みんながわかるように書かなきゃいけないんです。不特定多数の人にきちんと理解してもらうためには、矛盾があったり説明できていない部分があったりしたらダメですよね。
専門用語を正しく使うのはもちろん、引用の仕方や図や表の入れ方なども細かく細かく決まっています。研究の成果を適切に伝えるために「論理的」な書き方をすることはとっても重要です。
以上、前編の今回はそもそも「論文」とは何かについて説明しました。後編ではいよいよ卒業論文というのがどういうものか説明していきます!