『リトルピープルの時代』

FindUメンバーが自分のオススメする一冊を紹介する「BooksU」。第9回の今回はかとしゅんが自分の専攻を決めた本を語ります!!

こんにちは。かとしゅんです。夏休みも終わり、読書の秋がいよいよ近づいて来ました。

そこで、自分が影響を強く受けた本を紹介しようと思います!

私が紹介するのは、『リトルピープルの時代』です。

出会い

高校生の頃、担任の先生がテストの監督をしながら読んでいたこの本が気になりました。

特に、大きく表紙に「仮面ライダー1号」が描かれている所に、興味を持ちました。

その担任は現代文の先生をしながら歌人としても活躍していた方で、評論には造詣が深く、「きっとあの本は面白いのだろう」と思ったことを覚えています。

しかしその時、ちょうど私は受験生。本分は勉強。読みたい本を読む暇はありませんでした。

「大学に合格したら、絶対あの本を読むんだ…!」と自分に言い聞かせながら、受験勉強を頑張りました。

そして、月日は流れ、私は晴れて大学に合格!この本を読むことが出来ました…。

内容

この本の中では、「AKB48」や「ダークナイト」など、様々な切り口から「社会学」が語られていますが、

ここでは表紙にもなっている「仮面ライダー」の章を紹介しようと思います。

近年、この世界では、何が「正義」で何が「悪」かということが誰にも分からなくなっています。

例えば、筆者は「9.11アメリカ同時多発テロ事件」や「各地の内乱/内紛」を例に挙げています。

そういった社会の変化が、「仮面ライダー」シリーズの設定にも反映されているんですね。

「仮面ライダークウガ」から始まった「平成仮面ライダー」シリーズでは、仮面ライダーと敵対する組織を「悪の組織」とは呼ばず、種族名などで呼びます。

また、「なぜ敵対組織が人間に害を与えるのか」についての説明が加えられ、敵対組織なりの「正義(それが人類から見れば「悪」だったとしても)」が劇中で語られます。

 

平成仮面ライダー第3作目の「仮面ライダー龍騎」では、それ自体がテーマになっています。「仮面ライダー龍騎」は“仮面ライダー同士”がバトルロイヤル制によって一人残るまで戦うのです!仮面ライダー一人一人が、それぞれの信じる「正義」を持っています。まさに時代を体現したといえる「仮面ライダー」作品なのです。

この本を読むことを高校生の頃から楽しみにしていましたが、私にとって内容は期待以上のものでした。

自分が好きだった「仮面ライダー」作品を用いて、こんな研究が出来る…!

昔から大好きな作品を使って、立派な研究が出来るんだ…!!

大学1年生だった私は、いたく感動しました。

以前の記事でも触れたとおり、この本を読んだことが自分の進路を決めることに繋がりました。「こんなことがやってみたい!」と思ったんですね。

ちなみに

ちなみに、この本のタイトルにある「リトルピープル」とは、村上春樹氏の著作『1Q84』に登場する、不思議な存在です。

ジョージ・オーウェルの著作『1984年』に登場する、独裁者のメタファー(例え)である「ビッグブラザー」をもじって「リトルピープル」としています。

『リトルピープルの時代』では、「リトルピープル」と「ビッグブラザー」が対比されています。この2冊を読んでみると、『リトルピープルの時代』は更に面白くなりますよ!

両者ともに世界的な作家なので、興味のある人はオススメです!

「ビッグブラザー」「リトルピープル」
独裁者のメタファー(例え)小さな物語(各々が正義を持っている時代)」のメタファー(例え)
ジョージ・オーウェル 『1984年』村上春樹 『1Q84』

作品紹介

宇野恒弘『リトルピープルの時代』幻冬舎 2011年

ジョージ・オーウェル『1984』早川書房 2009年(新訳版) 

村上春樹『1Q84』新潮社 2009(1‐2)2010年(3)

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