『県庁おもてなし課』

FindUメンバーがオススメの本を紹介するBooksU。第10回の今回は、有川浩『県庁おもてなし課』を紹介します!

『県庁おもてなし課』は錦戸亮さんと堀北真希さんの主演で映画化もされた人気小説。高校生のみなさんが、人間関係に疲れたとき、片思いでどきどきしてるとき、勉強に飽きちゃったとき、ちょっぴり元気にしてくれる一冊です。

県庁おもてなし課って?

舞台は高知県庁に実際にある「おもてなし課」。主人公・掛水史貴ら「おもてなし課」のメンバーは高知の観光を盛り上げようと頑張っているのに、どこか空回り。そんなとき、高知出身の人気作家、吉門喬介から厳しくも適格な意見をもらう。このままじゃダメだと気づいた掛水は、気の利くアルバイト明神多紀、切れ者「いごっそう」清遠和政とその娘の佐和に出会い、高知を奔走する…!

「おもてなし課」の成長に伴って進展したりしなかったりする掛水と多紀の関係、熱い想いを持つ清遠のかっこよさ、吉門のツンデレ、佐和の一途さ、いろんな想いが絡まって進む物語。「おもてなし課」と彼らの行方は、実際に読んで確かめてください!

読みやすい、だけじゃない。

『県庁おもてなし課』は雑誌『ダ・ヴィンチ』の“ブック・オブ・ザ・イヤー2011”総合・恋愛ランキング部門第1位を獲得した、正真正銘面白い小説です。掛水と多紀のやりとりには胸キュンポイントもたくさんあるし、他の登場人物たちもとっても魅力的なので共感しながらずんずん読めると思います。

でも、それだけじゃないんです。

ここでは高校生のみなさんにこそ読んでほしい理由を2つ紹介します。

①県庁って?観光って?

作者の有川浩さんは単行本巻末の鼎談で次のように述べています。

地方観光のマーケティングについて勉強しようと思ったら、資料を読まなきゃいけないとか専門知識を覚えなきゃいけないとか、いろいろハードルが高い。けど、物語としてそれを読んだら「あ、こういうことなのか」と勉強するつもりなしに分かる。

『県庁おもてなし課』有川浩 株式会社角川書店「鼎談SPECIAL TALK 物語が地方を元気にする!?~「おもてなし課」と観光を”発見”~」

この言葉通り、公務員のお仕事ってどんなものか、観光業ってどんなものか、とても丁寧に書かれているんです。
たとえば観光については「グリーンツーリズム」という聞いたことがあるような言葉から、「トイレの偏差値」なんていうびっくりな観点まで、結構詳しく説明されています。
物語に自然に組み込まれているので特に意識せず読めますが、読み終えたときには県庁と観光のことに少し詳しくなってるはずです。

高校で仕事の仕組みを知る機会って意外と少ないけれど、そういう内容を少しずつ知ることで自分が将来やりたいことが見えてきたりします。
『リーガルハイ』で法律に興味を持ったり、池井戸潤原作ドラマで経営や銀行に興味を持ったり、そういうちょっとしたきっかけは大切だなって思います。

②ダサくてカッコいい大人たち

この作品の登場人物は、若くても22歳の多紀、25歳の掛水。あとは  20年前に県庁を退職した熟年の清遠、おもてなし課の課長である40歳の下元など、高校生から見れば全員大人。なんならおじさんだらけです。

でもこのおじさんたち、ものすごく等身大
一見切れ者でかっこいい清遠は息子には上手く接せなかった。「お役所感覚」に染まってた課長は、若手の意見を真摯に聞ける。クールな人気作家の吉門は実は甘え上手の人たらし。
ダサいだけでもカッコいいだけでもない彼らが「おもてなし課」のため、ひいては高知県のために頑張る姿は最高です。

身の回りにいる大人たちって、親だったら親としての一面、先生だったら先生としての一面とか、ごく一部の姿しか見せてくれないと思います。私自身の高校時代を振り返ると、こんな風になりたい!って思えるリアルな大人像って意外と見られなかったなって印象です…。

『県庁おもてなし課』はフィクションだけど、最高にダサくてカッコいい大人たちが盛りだくさん。憧れの人も見つかる…かもしれません。憧れの人を見つけるってことは進路を考える第一歩になる。だから、この本は高校生のみなさんにオススメなんです。

『県庁おもてなし課』に限らず、有川浩さんの作品では等身大でまっとうな大人が大活躍しています。おもてなし課にハマったら、ぜひぜひ読んでみてくださいね。

作品紹介

有川浩『県庁おもてなし課』 株式会社角川書店 2011年

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


前の記事

現代文の復習って??