東大法学部特集 第2弾

みなさん、こんにちは。東大法学部4年のシュウです。先週の講義紹介に続き、今週もまた東大法学部の特集をしていきたいと思います。

先週東大法学部の授業には、講義形式(教授が一方的に話す)と演習形式(テーマごとに少人数で議論)の2種類があるとお話ししました。

そこで今週はまだお伝えしていなかった、法学部の演習について紹介していきたいと思います。

今学期の演習のシラバス

演習授業の概要

演習では、法学や政治に関する様々な分野から自分の好きな分野を選択し、およそ10~20人で文献講読や判例調査・発表、ディスカッションを通じて深く学んでいきます。

大教室で教授が一方的に話す講義と違って、10~20人の学生で開講される演習は教授との距離がとても近く、かなりの緊張感のもと活発な議論が展開されます。

 

もしかしたら、演習はいわゆるゼミとは違うのかと疑問に思う方もいるかもしれません。たしかに私個人の実感としては、みなさんが想像するゼミとは若干異なる気がします。

ちなみに、ゼミについては、以前にさっちの記事の中で紹介されていましたね。

 

さて、東大法学部では一部の演習を除き、大半の演習は半年で終わります。

そのためゼミ合宿や卒論発表といった大きなイベントはありません。基本的に105分×13週で終了し、最終的にレポートを提出する形が普通です。

もちろん毎回の演習は授業時間の105分でぴったり終わるということは稀で、数十分の延長がスタンダードです。

昔聞いた話だと、ある憲法の教授の演習では、毎回17時開始で終電まで終わらないこともあったそうです。

履修方法

演習を履修するためには、学期が始まる前に申込みをする必要があります。

事前にシラバスを調べたり、過去履修した先輩の話を聞いたりして情報を集め、以下のような応募用紙にボールペンの手書きで記入し、教務課横のボックスに提出します。

講義の履修登録はすべてネットでできるのに、演習だけは全て手書きして申込みも現地に行かないといけないというのはちょっとしんどいところです(笑)

ゼミ申込用紙の写真

なお各学期にとれる演習は1つだけです。申込みを複数した場合、その申込みはすべて無効になると注意書きがあります。

またどの演習も定員が決まっているため、申込数が定員を超えたときは参加志望理由や成績をもとに選抜されます。

演習は様々なテーマがあるゆえ、人気に偏りがあり、かなり気合いをいれて志望理由書を書かないと通らないことが多々あります。

さて、この選抜結果は教務課の横の壁に貼り出されます。ネットで見られるようにしてくれればいいのにといつも思っているのですが、わざわざ大学まで見に行かないといけません。

ゼミ掲示板の写真

演習の紹介

私が今までに履修した演習は2つです。

3年生の夏学期:「科学技術と政治行政」城山英明教授

「科学技術と政治行政」のシラバス。
大学のシラバス(授業計画)ってこんな感じなんです。

日本の行政を科学技術という点から分析する演習です。演習の進め方としては、前半7回で教授の著書である「科学技術と政治」という文献を読み、毎週2~3章ごとに議論していきます。

学生は毎週指定された章を熟読し、事前に疑問点や考えたことをまとめて共有フォルダにアップロードします。

そして演習では各自学生が考えてきたことをもとに教授がテーマを設定して議論したり、疑問点にこたえたりしていきます。

 

また各週3人の学生が、教授が指定した関連する英語論文を要約し、全体に発表して共有します。これによって文献の理解を深めます。

Loorbach, Derk (2010), “Transition Management for Sustainable Development : A Prescriptive, Complexity-Based Governance Framework” 

(科学技術の社会導入に関する論文です)

私は英語があまり得意ではなかったので、これを全部読んだ上でみんなが理解できるようにまとめ、20分で発表するというのはかなり大変でした。

そして後半6回の演習では、外部の様々な方をお招きして、科学技術に関するリアルな行政の取り組みについて、お話を伺いました。JAXAの方や、元経産省職員の方、東大の公共政策大学院の教授などからお話を伺いました。そして最終回では、全6回でいらした先生方とともに懇親会で深くお話をすることができました。

非常に有意義で刺激的な半年でした。

私は法学部卒業後に大学院で技術経営という学問を新たに学ぶのですが、まさにこの演習で日本の科学技術に対する行政的取組みを学んだことがその決断に多いに影響しています。

4年生の冬学期:「問答形式による事例演習」道垣内弘人教授

「問答形式による事例演習」のシラバス。
授業計画のところでは毎回の授業でどんな内容を扱うのかが書いてあります。
「問答形式による事例演習」のシラバス。
成績評価の項目も大事。授業によって全然違います。

これはまさに今履修している演習です。3年生の夏に演習をとって以降、希望の演習に選抜で落ちてしまい、久しぶりに履修できた演習です。

この演習はおそらく通常の東大法学部の演習とはかなり異なるタイプの演習だと思います。というのも、これは事前に出題された問題を学生が事前に検討し、当日に教授が質問を学生に浴びせながら学ぶという、通常の高校の授業のような演習だからです。

この演習は、東大の法科大学院で展開されている上級民法1という講義を学部で実践したらどうなるのかという、実験的授業らしいです。そのためかなりハイレベルの学生ばかり集まってきていて、授業内容もエグいです。普段の講義は大教室で一方的に展開されるものばかりなので、基本的には一人で勉強するより他ありません。そのため普段なら軽くしか触れられないような話題や、理解が難しい考え方についても深めまくることができるので、毎回の授業が楽しすぎです(笑)

ただし教授の切れ味鋭すぎる質問に対処するために、毎回4時間近くは予習しているので、かなりハードな演習なのは間違いないです。ということは、法科大学院の授業はこんなハードな授業が週に何個もあるということになりますし、改めて法科大学院生は噂通りの大変な毎日を送っているんだなあと思いました。法律家になるというのはとにかく努力がいるんです。

 

さて、以上が私が履修した2つの演習の紹介です。まだまだ演習は種類があるので、興味がある方は上のシラバスを読んでみてください!

今回の話を聞いてどう思いましたか?法学部は勉強が好きな人、議論が好きな人にはうってつけの学部だと思います。

正直、大学で遊びたいと法学部にやってくると、モチベを見失ったり、挫折したり結構大変だとも思うので、しっかりと自分との適性を考えた方がいいかもしれません。


それでは来週は法学部の試験の話について紹介したいと思います。来週もよろしくお願いします!

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